【第6回】肺塞栓(PE)・深部静脈血栓症(DVT)の症状!【看護のコツ】

知らなきゃヤバイDVTと肺塞栓

ゆず
ゆず

こんにちは~ゆずです!

今回もどの病棟でも起こりうる疾患、深部静脈血栓症と肺塞栓症について解説します!

ナスちゃん
ナスちゃん

深部静脈血栓症って、術後とかに起こるんじゃなかったっけ?

ゆず
ゆず

さすがナスちゃん!

でも手術をしなくても入院しているだけでいろんなリスクがあるから、ぜひ知っておいてほしい疾患だよ。

看護師歴7年、急性期病棟に勤めてきた私が、分かりやすく解説します!

今日のポイント

片脚の異常はDVTを疑え!

突然呼吸状態悪化は肺塞栓症を疑え!

ゆず
ゆず

私の経験談も交えて解説するから、ぜひ最後まで読んでね。

深部静脈血栓症・肺塞栓症って何?

深部静脈血栓症DVT:Deep Vein Thrombosis)は、深部静脈の血液が凝固して血栓ができ、深部静脈の内腔を塞いだ状態です。9割以上が足の静脈内にできます。

この血栓が静脈を流れて、肺動脈(心臓から肺に向かう血管)を閉塞させた状態を肺塞栓症PE:Pulmonary Embolism)と呼びます。

肺塞栓症は、心臓や肺などの重要な臓器の働きに影響を及ぼして、突然死の原因となり得ます。

深部静脈血栓症の病態3分類:血流停滞、血液凝固内亢進、血管内障害

ゆず
ゆず

深部静脈血栓症の危険因子はちょっと多いけど、

病態を考えて理解すれば難しくないよ!

<血流が滞る>

  • 脱水
  • ベッド上安静、寝たきり、麻痺、身体拘束
  • 肥満

<血液凝固作用が促進されている(大きい侵襲を受けたときを含む)

  • 骨折や術後
  • 悪性腫瘍患者
  • 妊娠中出産後
  • ピルステロイドなどの薬を内服中
  • 何らかの感染症で炎症がある場合

<血管が傷ついて血栓ができやすくなっている>

  • 血管内カテーテルが挿入された状態
  • 血管炎

深部静脈血栓症のサイン:片脚の異常

深部静脈血栓症の症状は以下の通りです。

  • 脚の浮腫痛み掻痒感熱感
  • 皮膚が赤黒く変色する
  • ホ―マンズ徴候(足関節の背屈でふくらはぎに痛みが生じる)
  • 足背・後脛骨・膝窩動脈が触知不可・微弱

いずれも血栓がある片脚に限局的に起こります。

また、膝よりも下にできたDVT(末梢型DVT)では症状が軽いことも多く、全くの無症状である場合もあります。
逆に膝よりも上に血栓があるDVT(中枢型DVT)では、症状が目立ちやすいのが特徴です。

ゆず
ゆず

決して見つけやすいとは言い難い深部静脈血栓症。

だからこそ、サインがあったときにはキャッチできるようにしておこう!

ナスちゃん
ナスちゃん

サインを見つけたらどうすればいい?

ゆず
ゆず

このような症状を発見したときは、すぐ医師に報告しましょう。
その際、深部静脈血栓症が疑われることを伝え、診察まで安静にしていた方がよいか指示を受けましょう。

ナスちゃん
ナスちゃん

安静にした方がいいの?

ゆず
ゆず

深部静脈血栓症がある場合、下肢を動かして血栓が血流に乗ってしまうと肺塞栓症となってしまいます。

逆に、下大静脈に流れるリスクが低い場合や小さな血栓の場合は、早期からリハビリの指示が出ることもあります。

医師から指示が出るまでは安静にしておいた方が安全です。

肺塞栓症のサイン:突然の呼吸状態悪化

肺塞栓症の症状は以下の通りです。

<ほぼ出る症状>

  • 呼吸苦SpO2低下
  • 胸痛

<出ることもある症状>

  • めまい、失神
  • 冷汗
  • 動悸
  • 発熱
  • 血痰

血栓の大きさや数、肺や心臓の基礎状態などによって、1週間ほどの入院治療で済むこともあれば、右室不全が原因となり死亡に至ることもあります。

実はゆずの担当患者さんが、リハビリ室で肺塞栓症になり、病室に戻ってきたときにはすでに亡くなっていたことがありました。

肺炎で入院し、ステロイド内服中だった患者さん。胃がんもあって食欲不振であり、点滴はしていたものの、軽度脱水症になっていました。長期臥床で療養していましたが、足腰は元気な患者さんだったので、久しぶりに気分転換にとリハビリに行ったその日のことでした。

こんなにリスクを負っていたけど、足を観察することをせずに送り出してしまいました。その患者さんのことは一生忘れません。

ゆず
ゆず

毎日とても忙しい中だけど、患者さんを直接この目でよく観察することは、決して怠ってはいけない。予定通りじゃなくても、迷惑をかけても、やるべきことをやろうと学びました。

まとめ

片脚の異常はDVTを疑え!

突然呼吸状態悪化は肺塞栓症を疑え!

ナスちゃん
ナスちゃん

私にできるかな・・

ゆず
ゆず

暗い話をしてごめんね!

そんなことがあっても、リハビリの先生や主治医と前向きに話し合うことができて、元気に看護師として働き続けることができたから大丈夫!

これからも経験をもとにした記事を更新していくから、よかったら読者登録してね。

みんなが少しでも楽しく看護できるように、これからも応援しているよ!

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