タイトルで怖がらせて申し訳ありません!
でも私このセリフ、病棟で何回も聞いたことあるんです😭
早速今回の結論です。
今日のポイント
培養検査は抗生剤投与前に実施せよ!

え、それだけ?

本当にそれだけ!
理由を解説するね。
培養検査って何?
培養検査は感染症が疑われるときに実施される検査です。
正確には、一般細菌検査の一部が培養検査ですが、一般細菌検査のことを培養検査と呼ぶことが多いです。
血液培養(血培)、痰培養(痰培)、尿培養(尿培)、便培養などがあります。
検体の中に菌がいるか、どんな種類の菌か、を調べることで、適切な治療(抗生剤)を選択できます。
培養検査を開始して1日目に、菌の大きな分類や、菌によっては具体的な菌種を推定できます。
実際に菌種が同定できるのは、3-7日後となります。
具体的に菌が特定できた7日後から抗生剤を投与するのでは、全身に菌がまわって敗血症になってしまい、手遅れです。
そのため、どの部位が感染しているか(肺炎なのか、尿路感染症なのか、など)、経過などから当たりをつけて抗生剤を選択し、できるだけ早期から投与し始めます。
培養検査をする前に抗生剤を投与してはいけない理由
抗生剤(抗菌薬)は、体内の細菌を殺す作用をもつ薬剤です。
つまり、抗生剤を投与して、上手くいけば細菌が少なくなった体内から検体をとっても、培養検査の結果が正しく出ないことがあるのです。
こんなシンプルな話なのに、なぜみんな間違ってしまうのか、一緒に考えてみましょう。
ちなみに、抗生剤投与前に検体をとっておけば、検体提出前に抗生剤を投与しても問題ありません。
なぜ抗生剤を投与してから培養検査を行ってしまうのか
①抗生剤のことをよく知っているから
抗生剤は、できるだけ早く投与することで敗血症の予防になります。
感染症の治療は、この敗血症を予防することが最も重要で、患者さんの予後に最も関わります。
このことを知っていると、「早く抗生剤を投与しなきゃ!」と焦ってしまうかもしれません。

敗血症については、次回詳しく解説するよ。
②指示時間が指定されないから
できるだけ早く抗生剤の投与を開始するために、初回抗生剤投与の指示時間は指定されないことも多いです。培養検査についても同様です。
電子カルテで、抗生剤投与前に培養検査を実施するようにアラートが出るといったシステムがあればいいかもしれないですね。
③培養検査の指示が出るのは緊急時だから
患者さんが発熱した、採血結果で感染を示す値(CRP上昇、WBC上昇)がみられたときに、培養検査を行うことが多いです。
予測が難しい状況なので、突然オーダーが入って慌てるのは当然です。
まとめ
今日伝えたいことは、
培養検査は抗生剤投与前に実施せよ!
本当にこれだけです。
でもここまで読んでくださったみなさんは、その場に立った自分を想像してくれたと思います。そして、その場面が来たとき、ハッと思い出せるはずです。

急な指示はどうしても慌てちゃうから、私も間違えそう。
気を付けて確認するようにしようっと!

そう考えられることが素晴らしい!
間違いは誰にでもある。
患者さんと自分を守るために、
これからも看護のコツを知っていこう。
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