こんにちは!ゆずです!
今回はどの病棟でも起こり得る、低血糖についてお話していきます!

低血糖って、すごく痩せている人とかがなるのかな・・?

もちろんそれもあるけど、実はもっとたくさんの場面で起こるよ!
いざって時に対処できるようにしておこう!
今日のポイント
糖尿病患者の交感神経亢進症状がみられたら、すぐに血糖測定!
体調不良時は糖尿病薬を投与する前に指示をあおぐ!
低血糖とは?
低血糖は、血糖値(血液中のグルコースの濃度)が70mg/dL以下に低下し、身体にさまざまな症状が現れる状態のことです。
低血糖の原因
健康でも低血糖になる?
空腹時や運動時など血糖値が下がると、グルカゴンが血糖値を上昇させようと働きます。
グルカゴンがうまく働けないときでも、コルチゾール(糖質コルチコイド)、アドレナリン・ノルアドレナリン、成長ホルモンが血糖値を上昇させるために放出されます。
一方、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみです。
そのため、健康な方が低血糖になることはほとんどありません。
どんな人が低血糖になるの?
低血糖になる一番の原因は、インスリンなどの糖尿病治療薬です。
それ以外に次のような原因で低血糖になることがあります。
- インスリノーマ(インスリンを過剰に分泌する膵臓の腫瘍)
- 胃切除後症候群(胃ではなく小腸で炭水化物が消化されるため急激に血糖値上昇→過剰なインスリン分泌→低血糖)
- 肝不全(肝臓のグルカゴンが不足する)
- 腎不全(薬剤やインスリンが排泄されないなど)
- 極度の摂食障害(栄養不足)
今回は病棟で出会うことが特に多い、糖尿病患者さんが低血糖になる場合について解説します。
糖尿病治療薬でなぜ低血糖になるの?
糖尿病治療薬の効果が強く出すぎると、低血糖になります。
特に、食事、薬の誤った使用、生活習慣、体調不良によって低血糖になるリスクが高いです。

生活に密接した要因が多いんだね。

その通り。
だから、患者さんの生活を援助している看護師が、低血糖にいち早く気づけるはず!
具体的な場面を見てみよう👀
食事🍚
- 食事量(主食)が減少した
- 食事と食事の間の時間が延びた
このように、入ってくるブドウ糖の量が減ってしまえば、正しく薬を投与していても低血糖になります。
薬の投与方法💊
- 処方より多く投与してしまった
- 食前薬の内服やインスリン注射の後、食事まで時間が空いてしまった
- 飲み忘れた薬を、食事に関係なく気づいたときに飲んだ
このような場合、インスリンの働きに血糖値の上昇が追いつかず、低血糖となります。
生活習慣🍶
- 多量の飲酒
- 空腹時の運動
アルコールは、肝臓での糖新生作用を抑制します。
また、血糖降下薬とアルコールで相互作用を起こし血糖値を下げすぎたり、長年の多量飲酒では肝臓や膵臓に障害が加わりさらにコントロールが難しくなります。
また糖尿病患者は食事1時間後(血糖値上昇のピーク)の運動が勧められています。
空腹時に運動負荷をかけすぎると、低血糖となってしまいます。
体調不良🤧
糖尿病患者さんは抵抗力が低下し感染症にかかりやすくなっています。
発熱や下痢、嘔吐などで食事をいつも通りにとれない状況(シックデイ)になると、食事がとれず低血糖になったり、著しい高血糖になったり、血糖コントロール不良になります。
低血糖の症状
<初期症状>
低血糖になり、血糖値を上げようと交感神経が亢進します。そのため、代謝が亢進して下記のような症状が現れます。
- 冷や汗
- 手足の震え、しびれ
- 嘔気、嘔吐
- 動悸、頻脈
- 空腹感
<進行した症状>
低血糖によりエネルギーが不足し、全身の機能が低下します。脳はブドウ糖しかエネルギーとして使うことができないために、まず脳の機能が低下し、次のような症状が現れます。
- めまい
- 頭痛
- 眠気
- あくび
- イライラ感
- つじつまの合わない会話
<重篤な症状>
さらに脳の機能が低下すると、
- 昏睡(自発的に開眼しない意識レベルの低下)
- 痙攣
が起こります。こういった状態が続くと後遺症が残ることがあります。

こういう症状がみられたら、どうしたらいいのかな?
低血糖の看護
①血糖測定
低血糖症状がみられたとき、食事がいつも通りに摂取できない・できそうにない、発熱や嘔吐・下痢症状があるときは、一度血糖値を測って普段の値と比べてみましょう。
②医師へ報告
70mg/dL以下なら医師に報告&糖分投与の指示を確認します。
70mg/dL以下でなくても、糖尿病薬(経口投与薬、インスリン)の投与前に、医師に患者さんの状況を報告し、指示を仰ぎましょう。
③ ブドウ糖投与
医師の指示に従って、ブドウ糖を投与します。
粉末は水に溶いて、注射薬は静脈注射で投与します。
低血糖の場合50%ブドウ糖を静脈注射することがありますが、浸透圧が大変高いため、血管炎には要注意です。
逆血が確認できない場合は絶対に投与しないようにし、
採血に使う肘窩(前腕)の皮静脈など、確実に静脈内に投与できる血管を選んで静脈注射しましょう。
なお、20mlを1分~2分かけてゆっくり投与するようにし、血管痛が強い場合や腫れ・漏れが認められた場合は中止しましょう。
まとめ
糖尿病患者の交感神経亢進症状がみられたら、すぐに血糖測定!
体調不良時は糖尿病薬を投与する前に指示をあおぐ!

糖尿病患者さんの食事や体調はよーく観察しなきゃいけない理由が伝わったかな?

うん!
私の病棟でも糖尿病のお薬飲んでる患者さんがいたから、気をつけて観察するようにしよう!
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