
こんにちは~ゆずです!
今回もどの病棟でも起こりうる疾患、深部静脈血栓症と肺塞栓症について解説します!

深部静脈血栓症って、術後とかに起こるんじゃなかったっけ?

さすがナスちゃん!
でも入院しているだけでリスクになり得るから、医療者として防ぎたい疾患だよ。
今日のポイント
片脚の異常はDVTを疑え!
突然の呼吸状態悪化は肺塞栓症を疑え!
深部静脈血栓症・肺塞栓症って何?
手足の深部静脈に血栓ができることを、深部静脈血栓症(DVT:Deep Vein Thrombosis)と呼びます。
この血栓が静脈を流れて、肺動脈(心臓から肺に向かう血管)を閉塞させた状態を肺塞栓症(PE:Pulmonary Embolism)と呼びます。
肺塞栓症は、心臓や肺などの重要な臓器の働きに影響を及ぼして、突然死の原因となり得ます。
身近に起こり得る!深部静脈血栓症の危険因子

深部静脈血栓症の危険因子はちょっと多いけど、
覚えるというよりは病態を考えて理解しながら読み進めてみてください。
<血流が滞るとき>
- 脱水
- ベッド上安静、寝たきり、麻痺、身体拘束
- 肥満
<血液凝固作用が促進されているとき(大きい侵襲を受けたときを含む)>
- 骨折や術後
- 悪性腫瘍患者
- 妊娠中や出産後
- ピルやステロイドなどの薬を内服中
- 何らかの感染症で炎症がある場合
<血管が傷ついて血栓ができやすくなっている状態>
- 血管内カテーテルが挿入された状態
- 血管炎
これでも抜粋しているのですが、入院患者さんは何かしらの項目に当てはまる方が多いです。
深部静脈血栓症を発見するサインって?
深部静脈血栓症の症状は以下の通りです。
- 脚の浮腫、痛み、掻痒感
- 皮膚が赤黒く変色する
- こむら返り
いずれも血栓がある片脚に限局的に起こります。
また、膝よりも下にできたDVT(末梢型DVT)では症状が軽いことも多く、全くの無症状である場合もあります。
逆に膝よりも上に血栓があるDVT(中枢型DVT)では、症状が目立ちやすいのが特徴です。

決して見つけやすいとは言い難い深部静脈血栓症。
だからこそ、サインがあったときにはキャッチできるようにしておこう!

サインを見つけたらどうすればいい?

このような症状を発見したときは、すぐ医師に報告しましょう。
その際、深部静脈血栓症が疑われることを伝え、診察まで安静にしていた方がよいか指示を受けましょう。

安静にした方がいいの?

深部静脈血栓症がある場合、下肢を動かして血栓が血流に乗ってしまうと肺塞栓症となってしまいます。
逆に、下大静脈に流れるリスクが低い場合や小さな血栓の場合は、早期からリハビリの指示が出ることもあります。
医師から指示が出るまでは安静にしておいた方が安全です。
肺塞栓症のサイン!対応は?
肺塞栓症の症状は以下の通りです。
<ほぼ出る症状>
- 呼吸苦、SpO2低下
- 胸痛
<出ることもある症状>
- めまい、失神
- 冷汗
- 動悸
- 発熱
- 咳
- 血痰
血栓の大きさや数、肺や心臓の基礎状態などによって、1週間ほどの入院治療で済むこともあれば、右室不全が原因となり死亡に至ることもあります。
実はゆずの担当患者さんが、リハビリ室で肺塞栓症になり、病室に戻ってきたときにはすでに亡くなっていたことがありました。
肺炎で入院し、ステロイド内服中だった患者さん。胃がんもあって食欲不振であり、点滴はしていたものの、軽度脱水症になっていました。長期臥床で療養していましたが、足腰は元気な患者さんだったので、久しぶりに気分転換にとリハビリに行ったその日のことでした。
こんなにリスクを負っていたけど、足を観察することをせずに送り出してしまいました。その患者さんのことは一生忘れません。

毎日とても忙しい中だけど、患者さんを直接この目でよく観察することは、決して怠ってはいけない。予定通りじゃなくても、迷惑をかけても、やるべきことをやろうと学びました。
まとめ
片脚の異常はDVTを疑え!
突然の呼吸状態悪化は肺塞栓症を疑え!

私にできるかな・・

暗い話をしてごめんね!
そんなことがあっても、リハビリの先生や主治医と前向きに話し合うことができて、元気に看護師として働き続けることができたから大丈夫!
頑張っているナスちゃんたちのことはみんなが見てくれているよ。
私も心から応援しています!!
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