【放置しないで】看護師の腰痛、予防と対策

こんにちは、ゆずです!

今日は看護師の「腰痛」について解説していきます!

ナスちゃん
ナスちゃん

看護学校でも看護師は腰痛になりやすいって教わったけど、みんな腰が痛いって言ってるから当たり前みたいに感じちゃうな。

ゆず
ゆず

確かに看護師は腰痛を抱えていることが多いよね。

日本看護協会の調査では、看護師のうち51.7%が腰痛を自覚しており、さらに夜勤の拘束時間が16時間以上の看護師は63.3%が腰痛を自覚していました1

ナスちゃん
ナスちゃん

そんなにたくさん!

やすみ先生
やすみ先生

腰痛を放っておくと、股関節や臀部の筋肉が固く縮こまり、大腿動脈を圧迫してしまうため、足の冷え浮腫しびれ静脈瘤につながるおそれがあります。

ナスちゃん
ナスちゃん

腰痛はそれだけでもとっても辛い症状だから、改善できるように対策を勉強してみよう!

本日のポイント

看護師の腰痛は一生もの!違和感で済んでいるうちに対策しよう!

なぜ看護師は腰痛になるの?

看護師の腰痛の要因にはどんなものがあるか、具体例を挙げます。

動作要因

重い物(患者さん)を取扱う
 移乗、ベッド上での処置の動作の連続など

長時間の同じ姿勢、不自然な姿勢
 立ったまま(座ったまま)同じ姿勢で記録をする、患者さんの話を同じ姿勢で長時間聞く、創部の処置のために不自然な姿勢で長時間体を支えるなど

急な動作
 転倒しそうな患者さんを支えるため急に無理をして体を動かす、処置介助に素早い対応を求められ急に体を動かすなど

やすみ先生
やすみ先生

急激または不用意な動作をすることで、予期しない負荷が腰部にかかる時に、腰筋等の収縮が遅れるため身体が大きく動揺し、結果的に腰椎に負担がかかることとなります。

環境要因

高温多湿(汗の発散が妨げられ疲労を強める)
 入浴介助場面、ガウンを着た感染患者対応など

寒い部屋(寒冷な環境で筋組織内の血流量が低下する)
 患者に合わせてエアコンの効きすぎた室内、仮眠後の看護師と労働中の看護師とでの体感温度の違い

暗い部屋
 夜勤中の暗い場所でのスリップや転倒

ナスちゃん
ナスちゃん

大きく転んでいなくても、廊下で滑ったり転びそうになったりしている看護師って意外と見るかも・・・

ゆず
ゆず

スリップや転倒が、腰部に瞬間的に過大な負荷がかかり、腰痛の発生につながってしまうよ。

同じ場所で作業できない
 身長や腕の長さ、腰の高さなどの体格に、ベッドの高さやパソコンデスクやワゴン、椅子の高さなどが適合していない

ゆず
ゆず

同じ作業台で作業するのと違い、いろんなベッド・状況で介助するため、自分の体に合っていない作業場になりやすいよ。

慣れない環境
 休息や十分な仮眠が取りにくい、施設・設備(ベッドやワゴンの高さの調整、室温調整など)が上手く使えず自分に適した職場の環境調整ができない

ゆず
ゆず

新人看護師さんは慣れない環境で腰痛になるリスクが高いんだね。

個人的要因

女性
 一般的に、女性は男性よりも筋肉量が少なく体重も軽いことから、作業負担が大きくなる

心理・社会的要因

自己を犠牲にしてしまう
 人命を背負っている責任感

周りに助けを求めづらい
 上司や同僚からの支援不足、職場での対人トラブル、緊急時で周りも忙しいときでも後回しにできない業務

健康志向が低い
 自分の健康に気を向ける時間や余裕がない、「健康に長く働きたい」という気持ちを持てない

やすみ先生
やすみ先生

対人トラブルや責任感によって、自分を犠牲にして無理をしてしまったり、周りに助けを求めづらくなりがちですよね。

また、仕事に満足感ややりがいがなければ健康に長く仕事を続けたいと思いづらいです。こういった状況も、腰痛を招く要因となります。

腰痛にならない、改善させるための対策

ゆず
ゆず

腰痛を改善するための具体策を解説するよ!

患者の日常生活動作と福祉用具の活用

患者の身体機能や動作能力を把握して、協力を得る
 患者が看護師の手をつかむ、身体を近づけてくれる、指示に従って手すりをつかむだけでも、看護者の負担は軽減されます。

福祉用具の活用
 施設によって活用できる福祉用具がある場合があります。

スライディングシート

スライディングシートは、滑りやすい布状のもので、これをベッドに寝ている患者の下に敷き、その上を患者を滑らせて、ストレッチャー間移乗や体位変換します。

スライディングボード

スライディングボードは、移乗介助時に患者を抱え上げるのではなく、ボードの上を滑らせて移乗するのに使用します。このボードは、ベッドと車椅子の座面に橋を架けるように置いて使用したり、ベッドとストレッチャーの間において利用するものがあります。

作業姿勢・動作

ベッドの高さの調整
 作業時に自分の腰の高さまでベッドの高さを調節することで、前屈姿勢を取らなくて済み、腰への負担が軽減されます。

前屈や中腰姿勢になるときは膝を着いた姿勢に置き換える
 ベッド上の患者を体位変換するなど前屈姿勢をとるときは、ベッドの上に片膝や手をついて利用者にできるだけ近づくようにします。
 靴を履かせるときは前傾姿勢ではなく膝を曲げて、できるだけ患者に近づいて作業するようにします。

腰をひねらない
 患者の食事介助などはひねった姿勢を長時間とりがちです。
 ベッドの高さを調整するか、看護師が座面の高さを調節できる椅子に座ります。腕を伸ばした状態は頸肩腕部や腰背部の負担となるので、ベッドの柵にもたれて介助したり、テーブルで肘を支えます。食事のときだけ、患者をベッド側面に近い位置に移動してもらいうことでも、前屈姿勢を回避できます。

衣服・靴・補装具

衣服
 活動しやすく、通気性にすぐれ、伸展性がある素材が適しています。


 靴は滑りにくく、容易に脱いだり履いたりできるものが適しています。また、大きすぎず、踵をしっかりと包みこんで支え、靴底は衝撃吸収性に優れているものを選びましょう。

補装具
 看護師が装着できる補装具には、腰部保護ベルトがあります。腰部保護ベルトは、腹圧を上げて、腰椎の圧迫を軽減することができます。

まとめ

看護師の腰痛は一生もの!違和感で済んでいるうちに対策しよう!

ゆず
ゆず

腰痛は、たとえ看護師を辞めても簡単に治るものではないから、早いうちから対策しておくのが大事。

上司や同僚にもしっかりアピールして、助けてもらえる環境を作ろう。

参考文献

  1. 2010年病院看護職の夜勤・交代制勤務等実態調査(日本看護協会) ↩︎

2.0000092615.pdf

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