こんにちは、ゆずです!
今回は、出血によるショックを見抜く看護について、一緒に学んでいきましょう!

出血によるショックを見抜く・・・?

体内での出血は見えないから、気づいたときには重症、手遅れな状態になっていることが多いんだ。
少しでも早く気づけることで、予後が良くなる可能性があるよ。

気づけるポイント、一緒に勉強しよう!
今日のポイント
血圧低下だけでなく、手指冷感・尿量減少・傾眠を発見したらショックを疑おう!
体内で見えない出血をしていないか、全身をよく観察しよう!
出血性ショックとは?
出血性ショックとは、大量の出血が原因で循環血液量が減少し、ショック状態(全身の臓器が酸素不足)となること。
大量出血する原因は、
- 外傷など明らかな外出血
- 胃腸や大きな血管からの出血など、体内での大量出血
の2種類があります。
体内での出血に気づくには、看護師の観察眼がキーになります。
こんな“何気ないサイン”が危ない!
ショック初期の兆候
- 傾眠傾向(「ぼーっとしている」「反応が鈍い」)
- 皮膚冷感・湿潤(青白い、手足がひんやり、冷汗)
- 顔色・口唇の蒼白、末梢のチアノーゼ
- 頻脈
- 呼吸促迫(呼吸が浅く速い)
ショックが進行すると起こる症状
- 血圧低下、脈拍触知微弱
- 尿量減少(1時間あたり0.5mL/kg以下は注意)
これらの症状はショックの症状であり、出血を示唆するものではありません。
循環不全が心不全によるものと診断されてしまうと、輸液を制限されるなど全く違った治療が行われる可能性があります。

次の項目のような“出血のサイン”がないかを合わせて観察しよう!
病棟で注意するべき出血🩸
食道静脈瘤破裂
- 肝硬変などが原因でできた食道静脈瘤の破裂
- 吐血・黒色便がみられる
大動脈瘤破裂
- 胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤が破裂して、胸腔や腹腔に出血する
- 胸や背中に強い痛みが生じる
消化管出血(GI出血)
- 主に消化性潰瘍が悪化し出血する
- 黒色便(上部消化管)・血便(下部消化管)
- 吐血、食欲不振、胃痛
- 慢性的な出血では、貧血・倦怠感だけのことも
術後出血
- 術部の腫脹・硬結、ドレーンからの出血増加
- 手術翌日に“なんかぼんやりしてる”は要注意!

どれも怖い状態だね・・

そうだね。
でもサインは必ずあるから、焦るときこそ患者さんの全身をよく観察してみよう。
病名と結びつかなくても、「あれ?」って思ったことを報告できることが、患者さんを救うことにつながるよ!
出血性ショックだったら
出血性ショックが疑われた場合、「止血」と「補液」による体液維持が行われます。
止血は再手術や内視鏡にて行われます。
補液はできるだけ太い留置針(推奨は14-16Gですが私は病棟になかったので18-20Gを使っていました)を用いて血管確保し、1Lを15分かける速度=全開投与します。

医師から「全開投与」と言われたらクレンメを全開にします。
7-8分で500mlの輸液がなくなってしまうので、次の輸液の指示ももらい、準備しておきましょう。
また輸血も準備ができ次第行われます。

私にできるかな・・

いわゆる“急変”だから、みんなバタバタしているし、その場にいるのは怖いかもしれない。でも、何もできないとしてもその場にいて動きを見ておくのは大事なことだよ。
私が今まで一番助かった後輩の急変時の動きは、「私は何したらいいですか!」って聞いてくれること!どこで何してるのか分からないと心配事が増えて困ってしまいます😭
まとめ
血圧低下だけでなく、手指冷感・尿量減少・傾眠を発見したらショックを疑おう!
体内で見えない出血をしていないか、全身をよく観察しよう!

これからも一つずつ一緒に勉強していこうね!
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