発熱時、医師がしてほしい報告はこれです!

ゆず
ゆず

こんにちは!ゆずです!

今回は発熱の「原因」をアセスメントしていくよ!

発熱の原因がわかるのは看護師の情報があってこそです!

ナスちゃん
ナスちゃん

発熱の原因って、どんなのがあるんだっけ・・・

ゆず
ゆず

まずは感染症を一番に考えよう!

今日のポイント

原因不明の発熱は「どこの感染症か」を考えよう!

発熱の原因

発熱の原因は主に、感染症膠原病悪性腫瘍です。

このうち最も頻度が高く早期の治療が必要で、治療効果も出やすいのが感染症です。

前回お伝えした通り、感染症は敗血症に移行すると致死率が高まります(くわしくは過去記事「意識が少しぼんやりしていますが発熱の影響と考えられるので様子を見ています」それって大丈夫?を参照)。

敗血症に移行させないためには、できるだけ早く感染している部位を特定し、効果のある抗生剤を投与することが求められます。

この感染部位の特定に役立つのが、看護師の報告です!

ゆず
ゆず

感染部位がだいたい分からないと、医師もどんな検査をするべきか迷ってしまいます。逆に看護師が教えてくれたら、迅速な検査や治療が可能になるよ!

ナスちゃん
ナスちゃん

感染部位がだいたい分かったら、どんな検査をしたらいいかも分かるよね。

原疾患に膠原病や悪性腫瘍があると分かっていても、何らかの感染症を併発していないか、という視点をまず持ってみましょう。

感染部位どう見分ける?

病棟で起こりやすい感染症について簡単に説明します。

肺炎

肺炎の一般的な症状は、咳嗽、喀痰、呼吸苦、呼吸数増加、SpO2低下、胸痛

聴診にて肺雑音、エア入り減弱・左右差です。

これらのうち当てはまる症状があれば、医師に報告します。

でもそれ以上に医師が欲しい情報があります!それは、

食事中のむせ込みの有無です!

むせこんでいた以外にも、摂取時間の延長、摂取量減少、食事中の姿勢が悪い、食物残渣が多い、歯磨きができていないなどは誤嚥性肺炎の要因になり得ます。

これらの情報は看護師しか知り得ません。積極的に報告しましょう。

尿路感染症

尿路感染症の一般的な症状は、排尿時痛、血尿、頻尿、尿の濁り、悪臭下腹部痛(膀胱炎)、腰背部痛(腎盂腎炎)です。

これらの症状がひとつでも見られる場合、尿検査や尿培養検査を実施する可能性が高いです。

尿路感染症を疑ったら、尿検査や尿培養検査の検体を採取しておきましょう。

次の排尿がいつになるか分からないからです。

またおむつ内失禁、尿道カテーテル挿入中、 水分摂取量減少は尿路感染症のリスクとなります。これらについても医師に報告しましょう。

カテーテル感染

カテーテル感染は、医療者は決して見落としてはいけない感染症です。

カテーテル類(CV、末梢留置針、膀胱留置カテーテル、ドレーンなど)の挿入部の疼痛、発赤、腫脹、熱感がないか確認しましょう。

他の感染部位が疑われても、上記の症状は必ず確認し、記録しておくとよいです。

またこれらの症状がなくても、カテーテル類が適切な期間で交換されているかを必ず確認し、報告しましょう。

症状があるか、期限切れの場合はカテーテルを抜去することになりますが、このときカテーテル培養を実施するかもしれないことに注意します。

カテーテル先端をそのまま検査に出すか、カテーテルを通過した血液をシリンジで吸引して検査に出す場合があります。

これらを実施するか医師に確認してから抜去するようにしましょう。

胆嚢炎・胆管炎

胆道感染症(胆嚢炎・胆管炎)は、発熱とともに右季肋部(みぎきろくぶ、右の肋骨の下あたり)腹部膨満感圧痛・反跳痛などがみられることがあります。

大きな手術長期間の点滴栄養などをきっかけに起こることも多く、特に訴えが乏しい寝たきりの患者さんに注意が必要です。

患者本人から訴えなくても、

  • 食欲が急に落ちた
  • 嘔吐している
  • 体を丸めるようにして痛がっている
  • お腹を触ると嫌がる

といった症状があれば、胆嚢炎・胆管炎の可能性がありますので、報告しましょう。


褥瘡・創部感染

褥瘡や創部がある患者さんは、発赤、腫脹、熱感、異常な浸出液の増加があれば感染が疑われます。

創部の経過は、特に初めて見た当直医などには判断が難しく、看護師が頼りです。

正常時も創部をよく観察し、DESIGN-R写真撮影、ノギスを使用した発赤・腫脹部の計測やマーキングなど、記録をしておきましょう。

医師への報告

ここまで説明した症状をただ羅列した報告は、伝わりにくい報告です。

「発熱があり、肺雑音も聴取されます。」だけではなく、

「発熱があり、肺雑音も聴取されるため、肺炎の疑いがあります。」と伝えましょう。

医師なら分かるだろう、とか、自分の考えは違うかもしれない・・と思わず、アセスメントを伝えることで、相手が想像しやすい報告になります。

ナスちゃん
ナスちゃん

できるかな・・・

ゆず
ゆず

なぜそれを報告しようと思ったのか、を伝える意識をしてみるといいよ!

分からない場合は、先輩と一緒にアセスメントしてから医師に報告するといいね!

まとめ

今日のポイントはこちらでした。

原因不明の発熱は「どこの感染症か」を考えよう!

ナスちゃん
ナスちゃん

覚えることたくさんだけど、どこの感染症かって考えるなら、私にもできるかも。

ゆず
ゆず

ナスちゃんその調子!

これからも一緒に勉強していこうね。

コメント

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